cinema

CinemaScapeに投稿

コメント2点。 「オペラ座の怪人」 「あずみ2 Death or Love」 さて、もうすぐ初日を迎える舞台版の「あずみ」では、いつも商売には困らないはずの明治座が苦戦中。チケットの売れ行きがパッとしないそうです。 おばあちゃんの原宿ならぬ、おばあちゃんのオ…

「オペラ座の怪人」★3/5

連日のユナイテッド・シネマとしまえん通いで「オペラ座の怪人」鑑賞。タモさんほどじゃないけれど、ミュージカルが苦手だ。 やっぱり、あの「台詞を突然歌い始める」という雰囲気や間合いが生理に合わないんだと思う。 じゃあどのミュージカルが嫌いなんだ?…

「ひめゆりの塔」★1/5

実際にあった出来事を軽々しくもてあそんでフィクションどころか、徹底的なプロパガンダにしてしまう今井正監督の無軌道ぶりは相変わらず。 史実をねじ曲げた演出も「正義」として賞賛されるのがサヨク。史実を俎上にしただけで批判されるのがウヨク。 ひめ…

「リング」★3/5

原作のイメージから浮かべた高山像は、異端エリートというキャラ立てからの連想で宮台真司とか宮崎哲弥といったあたりだった。 妄想はさておき、無頼派の高山を真田広之というのは明らかなミスキャスト。 ※以下は原作と映画のネタバレを含みます

「ウインドトーカーズ」★3/5

『男たちの挽歌』的活劇が、青天白日の元に解き放たれた痛快なアクション。天然光の下で繰り広げられるジョン・ウーの演出は、強烈な引力を持っている。しかし、戦争映画としては、構造や題材がなんとも曖昧で中途半端なのが残念。 戦争映画である以上、香港…

「プレッジ」★2/5

ジャック・ニコルソンの演技の凄まじさ! これについてはどんなに辛くしても★3以下は絶対に“ありえない”でしょう。鬼気迫る圧倒的な芝居が見られます。だからこそ…… ※以下はネタバレを含みます

「海軍特別年少兵」★1/5

ひめゆり記念館でガイドのボランティアをしているおばあや、広島を体験した被爆者は、ただ淡々と事実を語る。そして、その静かさが強いメッセージになる。 なりふりかまわず、声高に扇情的なプロパガンダをわめくのは、カラッポのバケツ。 これでもかと執拗…

「スパイキッズ」★2/5

すっかりご無沙汰感のあった「こども映画」の王道。しかも、親はあんまり良い顔をしなさそう……といったあたりも“正しい”こども映画として鉄板。 予算とCGを駆使して、完成度の高いおもちゃ箱に仕上がっている。 ※以下はネタバレを含みます

「インビジブル」★3/5

SFとしてのアプローチのしかた、CG映像の作画や演出は圧倒的に正しく、人間の性悪説描写も確実に一面の真理を捉えている。 しかし、セバスチャン(ケビン・ベーコン)の人物設定が、ドラマの盛り上がりをスポイルしているように見えたのが残念。 バーホーベ…

「 マイ・フェア・レディ」★4/5

豪華絢爛な衣装だけでも見る価値アリ! 花売り娘のモコモコ服さえ、見事な質感を持っているのには目からウロコ。 だが、ストーリー自体はどうしようもないくらいに「おとぎ話」。 どう考えたってラストはご都合主義だし、ヒギンズ教授の男尊女卑は目に余る。…

「セックスと嘘とビデオテープ」★5/5

コミュニケーションの成立と不成立の対比を、夫婦や姉妹、同窓生といった構図、ビデオテープというツールを使って浮き彫りにしている。 絵画や写真ではなく、彫像や塑像のように実体と感触をともなった感触……それは、どんな闇の中だったとしても、手を伸ばせ…

「フリー・ウィリー」★3/5

野生動物が登場する映画やテレビシリーズの舞台裏には、いろいろと考えさせられてしまうこともあるので、こういう映画をストーリーや映像といった要素だけで取り上げることは難しい……以下、ほんの少しだけでもいいから、考えてみてほしいこと。 ※以下はネタ…

「シュリ」★3/5

「展開の読めてしまうストーリー」「恋愛描写のうすっぺらさ」「無限弾倉を持っている不死身の北工作員」 日本映画にあきらかに欠けているものは、せいぜい市街地での堂々の銃撃戦ロケくらい、のはずなのに! にしても…… 映画作品そのものとしてのグランドデ…

「 シルミド/SILMIDO」★3/5

『シュリ』とは比べようもない“事実”の重み。その凄みが観る者の喉元につきつけられる。 しかし、それこそがまさに両刃の剣。「映画」としてのこの作品に、様々な手枷足枷を強いているようにも見えた。 北朝鮮特殊部隊による青瓦台襲撃事件に対する報復とし…

「Love Letter」★2/5

情景をデッサンのように切り取った、メレンゲのようにフワフワで捉えどころのない映像がユニーク。 同監督が演出した広末涼子や窪塚洋介の出演したCMと同じような軽いタッチの情景は、それ自体まあ面白いにしても、映画としては力不足。 そして物語自体もひ…

「アナザヘヴン」★4/5

映画的フランケンシュタイン。 細かい表現や描写までパクってしまうのだから、大確信犯。 予算が豊富そうで、キャストやセット、装置にチープさがないのは素直にマル。それに、なんだかんだ言っても長文コメントが書けるくらい楽しませてもらえたので、マル…

「座頭市」★4/5

痛快チャンバラ大活劇に大喝采! 制約や束縛から解放された市が自由奔放にスクリーンで大暴れ、時代劇的な因習や固定観念をメッタ斬りにする。 娯楽映画に真っ向から取り組んだたけしにバッサリやられた観客は秒殺され、カタルシスの海に放り出される。 原作…

「地球防衛軍」★3/5

約半世紀前(!)の「特撮」と、現在の「SFX」を考える。 前者は「”意”あって”力”足らず」。後者は「”力”あって”意”足らず」としてしまえば短絡化がすぎるのはたしかなのだけれど、しかし…… アルファー号・ベータ号はケムリ出してるけど動力は何? ミステリ…

「 キリング・ミー・ソフトリー」★3/5

「映画の題材はどの世界でも普遍的なもの」(チェン・カイコー/AERA誌でのインタビュー) たしかだったのは、全編を貫く陳凱歌の作風と、それから…… 『覇王別姫』が★5の僕にとって、チェン・カイコーのハリウッド進出。そして、彼の作品が手軽に見られるよ…

「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」★3/5

今頃気がついた……第一作(エピソード4)があんなに好きだったのに、いつのまにかこのシリーズが苦手になってしまっていた理由。 以下、当作品だけでなく、スター・ウォーズサーガ全般について現時点(エピソード1公開後からエピソード2の公開までの間)で思…

「ゲーム」★4/5

あちゃぁ、やられた! もう完璧にやられた。今さら思い知らされた。フィンチャー、なんと底意地が悪く、手練手管を縦横無尽に操る策士! 彼の手法がこういうものなのであれば……ということで、色々考え直すことになった。 まず、「セブン」に対する自分の評価…

「A.I.」★3/5

鑑賞する側の前提条件として不可欠なもの「キリスト教的世界観と照らし合わせる目」がなければ、単なるセンチメンタルかホラーになってしまう可能性も。 日本では「感傷」よりも、多くの「困惑」が向けられてしまうことになったのは、ある意味当然のこと。 …

「スネーク・アイズ」★4/5

冒頭のニコラス・ケイジのアブラギッシュぶりの描写は、好きな人にはたまらない(キンピカ携帯電話とかね) ラストのデ・パルマ的ツイストも、お家芸的にハマっている。彼が豊富な予算で撮った映画を見ることができたのは、素直にうれしい。 結果、ブライア…

「乱」★4/5

『リア王』の翻案が、なぜ『蜘蛛巣城』に。 後者が『マクベス』そのものよりも秀逸だっただけに残念。原田美枝子も山田五十鈴の通俗的なコピーにしか見えなかった。 そもそも、三姉妹を三兄弟に置き換えたときから、ボタンのかけ違いは始まっていたのでは。 …

キアヌが「イルマーレ」

> ヒット米映画「スピード」(1994年)の主演コンビ、キアヌ・リーブス(40)とサンドラ・ブロック(37)が韓国映画のリメーク版で再びコンビを組む。 ハリウッド関係者によると、2人が出演するのは、韓国映画「僕の彼女を紹介します」(公開中)のヒロイン…

「ピアニスト」★2/5

「カンヌの審査員」とカッコでくくり、彼等を批判する価値観には今まで同意してこなかった。 でも、この作品をグランプリにした感性が、例えば『セックスと嘘とビデオテープ』をどう評価したのかと思うと……なんだか考えさせられてしまった。 とにかく長回し…

「クリムゾン・タイド」★3/5

潜水艦の閉息感と息苦しさを、定石をキッチリと押さえて縦横に駆使。 それでいて自身の絵作りのツボも外さないのだから、トニー・スコットという人はなかなかにウマイ。 正義も悪もなく、そこには命令と軍人が存在するだけ。このシンプルさが、プリミティブ…

「ファインディング・ニモ」★2/5

あとで子供と一緒に水族館やプールに遊びに行くこととセットで考えたら、こんなにいいチャンスはないと思う。 あと、この邦題を“ネモ”船長は喜んでくれたかもしれないけれど、「ニモを探しに」みたいな邦題をつけないのは、いろんなマーケティングのためなん…

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」★2/5

70年代への「こだわり」や「憧憬」がテーマとなると、世代的な共通項が無く、アニメの『しんちゃん』への思い入れも特に無い僕……。 『しんちゃん』世界とは不釣り合いと思えるプロットや、平板すぎる描画に違和感を持ちながらの鑑賞は結構ツラかったです。 …

「ムーラン・ルージュ」★4/5

歌うニコールとユアンに喝采を!──大画面がなかったら、映画館に足を運ぶしかない。それは、高水準の作品だから……というわけでもないのはフクザツ。 それでも! 米粒に写経をしたような、パラノイアックな細密描写を黙って見逃すテはない。 圧縮凝縮されたモ…