「アナザヘヴン」★4/5

Kakeru2005-02-01


映画的フランケンシュタイン
細かい表現や描写までパクってしまうのだから、大確信犯。
予算が豊富そうで、キャストやセット、装置にチープさがないのは素直にマル。それに、なんだかんだ言っても長文コメントが書けるくらい楽しませてもらえたので、マル!


ドラマ版や原作等全て未見で観賞しました……


木村敦役の柏原崇のキャ〜な演技の評価が高いようだけれど、僕はもうちょっとサイコっぽくやってほしかった。どこかこうイマイチ男っぽかったり、立ち姿にどうも色気が足りない感じなので−★1、って感じ。
テレビの『催眠』で、羽田美智子演じる女医のストーカー役の石川伸一郎とか、フジテレビの昼メロ『真珠夫人』の 横山めぐみの息子役、松尾敏伸のような、マジサイコ演技の迫力とくらべると、ちょっと負けそう……。 


ところで幕田ユウジ(加藤晴彦)は警察マニア? だとしたら、「ラジオライフ」読んでるような人はSUVじゃなくて地味目のセダンの面パト仕様じゃなきゃ!

彼がどうやって朝子のアパートにやってこれたのか、何も説明がなかったような気がしたけれど、後部座席の機材のインジケータや、木村(柏原崇)が電話してきたときに飛鷹刑事(原田芳雄)が「警察無線聞いてりゃ誰でもわかる」ってのが伏線だったのでしょうか?

ちょっと調べてみたら……テレビドラマ版で「警察・盗聴マニア」ということで登場していたのですね。映画だけ見た人にはわかりにくい演出だった、ということで−★0.5。


※以下、非常に断片的ながら、多数の作品のネタバレを含みます……

ガメラ3』『遊星からの物体X』『ヒドゥン』『ツインピークス』『パラサイト・イヴ』『寄生獣』『タンポポ』『ゾンビ』『戦場のメリークリスマス』『御法度』『プレデター2』『マトリックス』『パラサイト・イブ』『フラバー』『サイコ』『キャリー』『宇宙戦艦ヤマト』『バタリアン』……など。


ラストの風呂場でのシーン。それにしても、朝子(市川実和子)が一番似合わなそうな……というか「似合わね〜」という感じの下着を着ていたのはちょっとオドロキ。それに、ここは服を着ているのがむしろ不自然なシーンだとも思う(イリスと融合する前田愛(『ガメラ3』)同様に……)

朝子は劇中でとっくに脱いでいるのに、なぜ「少女趣味」の象徴とも言えるような「ブラスリップ」を着せたのか、それも白を! エプロンドレスやペチコート並の化石だよなあ(ピンクハウス趣味の人やキャンディーミルキーさんを除く)
ラストのマナブ(江口洋介)の「朝子みたいな純粋な……」みたいなセリフにつなげたかった、ということなのかもしれないけど、多分……「監督の趣味」だな。オッパイがおっきな女の子にこそ、あんなのを着せてみたかったに違いない。



以下、プロットや描写のネタ元と思った映画等をつらつらと……

・寄生されると別人格になってしまう ……『遊星からの物体X』『ツインピークス』『パラサイト・イヴ』……等々キリがなし。

・特に『ヒドゥン』は、宿主が人間離れした怪力を持ってしまうところまでそのマンマ。

・↑しかし、宿主のなんらかの努力で、寄生してきたモノの支配は制限される ……『寄生獣

・一見無関係に見える(&本当に無意味で意味深な)アイテムや、画面内で語られる以上の伏線を持っていたり、テレビドラマとかけ合わせた手法 ……『ツインピークス

・冒頭の殺人現場から息せき切って駆け出す警官たち ……『タンポポ

・脳みそシェフ千鶴(岡元夕紀子)の最期の格闘シーン。足首がアッチを向いているのに平気な顔 ……『ゾンビ』← 代表としてあげました。他にもゾンビものやジャンキーものでまだまだありそうです。だからこそ、あえて強調しなくても、と思います。

・木村(柏原崇)キスでマナブを無力化する ……『戦場のメリークリスマス』もしくは『御法度』(セルフカバー by 大島渚?)

・木村、車をロイタ−板にしてジャンプする ……『プレデター2』

・↑そのあと空を飛ぶ ……『マトリックス宮崎駿の言葉を借りれば「コピーのコピー」をしてどうする!?

・「ナニカ」天井から落ちて朝子(市川実和子)に ……『パラサイト・イブ』

・「ナニカ」ぼよよ〜んとジャンプ ……『フラバー』

・焼け落ちるコテージ(?) ……『遊星からの物体X』まあこのオチは『サイコ』というか、サイコ系(作品名ではなく言葉本来の意味の方)カタストロフイー作品だと多いですね。そんなことを言い出したら『キャリー』とかなんでもいくらでもでてきちゃうけど。


・で、ヒロインがもし生き返ってしまったら『宇宙戦艦ヤマト

・灰になった「ナニカ」が雨と一緒に町に降り注ぎ、多数の人に感染してしまったら『バタリアン


いや〜これで安心して続編が作れる。でも、笹本医師(松雪泰子)や木村(柏原崇は、脳そのものが無くなってしまったので、例の荒技「脳死には至ってなかった」は使えず復活不能。(CinemaScapeアナザへヴン」拙コメントより)


アナザヘヴン [DVD]

以上、また思い付いたら加筆……しないだろうなあ(と言いつつ、これまで二度も加筆してしまったけど……屈折した楽しみ方だとわかってはいても、う〜ん。