オンリーワン

Kakeru2003-12-26


また紅白の話。
大トリはSMAPの「世界に一つだけの花」に決まったようだ(正式発表前だけれど、確定したような報道がスタートしている)。
じつはこれもまたもう一つの禁じ手(「vs 曙」)
今年の紅白はだんだん「なんでもあり」になってきたようだ。

1978年の第29回紅白、山口百恵の「プレイバックPart2」がトリ、沢田研二の「LOVE(抱きしめたい)」が大トリ。
72.2%(関東)の視聴率はコンスタントな数字で、名曲紅白で史上初の70%以下(69.9%)を出したときのような失敗ではない。
ところが、「百恵ちゃんやジュリーがトリだったので、小さい子供が寝ないで困る」と、苦情の電話が殺到。
それで封印されてたはずのポップス系のトリだったのに、どうしてここにきてSMAP(そして浜崎あゆみ?)なんだろう。まあどちらのファン層も年齢的にはかなり上目にずれているから、これでいいのかもしれない。
紅白が確信犯で禁じ手を連発するのは、背水の陣というか、“なりふりかまわず”ということなんだろうか。


そういえば、SMAPレコード大賞を辞退したけれど、理由を「『No.1』を目指すよりは『Only One』を大切に歌ってきた。メッセージを貫きたいからノミネートを辞退」と説明している。
でも、もしかしたらイラク戦争への「反戦歌」として歌われていることが、足枷になった部分もあるんじゃないか? ……というのは邪推。

意図しないところで政治色をつけられてしまったら、マイナスになることも結構あったと思う。平和運動が絶対正義になれるような単純な時代だったら、そんなことはなかったかもしれないけれどね、ピース。
イラク戦争デモを組織している団体の中には、反体制運動のために「平和」を掲げるような極左もある。そういう活動家が、ソフトイメージ戦略のツールとして「世界に一つだけの花」や喜納昌吉の「花」を使っている。
喜納昌吉はともかく、SMAPそのものに政治色は一切無いのだろうし、“とばっちり”になってしまった、なんてことはなかっただろうか。

さてさて、今年の紅白。香取慎吾が土方コスプレをするかどうか? にちょっと注目。でも、出番が最後ということになると、SMAPは他でも結構便利に使われてしまうんだろうな。

「沿道の市民も列に加わり……」といった形で紹介されることが普通になった、渋谷ピースウォーク(写真)では、「小泉内閣打倒!」といった時代がかったスローガンのプラカードが見られるようになってきた。
それも当然、実は中核派全学連が100人単位で参加者を動員しているプロ市民デモ(実行委員会代表は中核派全学連の副委員長)。参加した“市民”が、オルグされて“プロ市民”になってしまえば、薬害エイズの時と同じ図式になってしまう。
中核派全学連そのものが主催する反戦行動には、より過激なものがあるのはもちろんだ。